スポーツ障害あれこれ

一口にスポーツ障害と言っても、色々なスポーツ障害があります。

全部は書き出せないくらいですが一部をご紹介すると

  • バーナー症候群
  • 頚髄損傷
  • 腕神経叢損傷
  • 肩関節脱臼
  • 鎖骨骨折
  • 腱板損傷
  • 関節唇損傷
  • 野球肘
  • テニス肘
  • 肘脱臼
  • 尺骨神経障害
  • コレス骨折
  • 舟状骨骨折
  • TFCC損傷
  • 突き指
  • 腱鞘炎
  • 腹筋損傷
  • 腰椎分離症
  • 椎間板ヘルニア
  • 剥離骨折
  • 恥骨結合炎
  • 肉離れ
  • 筋挫傷
  • 疲労骨折
  • 内側側副靱帯損傷
  • 前十字靭帯損傷
  • 後十字靭帯損傷
  • 半月板損傷
  • タナ障害
  • 軟骨損傷
  • 鵞足炎
  • オスグッド
  • 離断性骨軟骨炎
  • シンスプリント
  • コンパートメント症候群
  • テニスレッグ
  • アキレス腱炎
  • 足底筋膜炎

などなど多数あります。

 

ここではこの中で当院で対応可能なものをご紹介していこうと思います。

シンスプリント

シンスプリントはスポーツの現場では非常に多くみられる慢性のスポーツ障害です。

【脛骨の内側後縁の下から1/2から1/3の範囲に痛みを有する慢性障害】

と定義されています。

 

下腿三頭筋を覆う筋膜と脛骨の骨膜との連結部付近の損傷がシンスプリントの本態であると思われます。

 

下腿三頭筋の筋膜と脛骨の骨膜の連結は繰り返し張力をうけることで炎症を起こします。

 

具体的にはランニング、ストップと方向転換、切り返し動作などが原因となります。

 

これらの動作の中で問題になるのは土踏まずが下がるような動きです。足のアーチが低い偏平足の選手にシンスプリントが多いのもこの影響だと思われます。

さらに下腿三頭筋が疲労すると柔軟性が低下して筋膜の張力がより高くなって負荷をかけてしまいます。

 

疲労骨折との鑑別が大切

シンスプリントと脛骨の疲労骨折は似た症状のため鑑別が大切です。

痛みの範囲が広く局在しないのがシンスプリントの特徴です。

 

シンスプリントは慢性経過のオーバーユースによる障害なので、基本的には運動による負荷を減らすことが必要です。

下腿三頭筋の張力を減らすためにふくらはぎサポーターを使用するのも一つのやり方です。

足底板も有効な場合があります。

 

当院の整体鍼灸では、下腿三頭筋を緩めるだけでなく

下腿骨間膜、遠位脛腓関節、足関節なども調整していきます。

恥骨結合炎

恥骨結合とは骨盤の前方で両側の骨盤の骨が結合する部分です。

向かい合う骨同士の間で動きが起こる関係を関節、ほとんど動かないように制動されている関係を結合と言います。

 

この本来なら動かないような構造になっている部位に強い力が加わり続けることで怪我に発展します。

制動している繊維組織や、繊維組織に付着している恥骨に損傷が起こるのが恥骨結合炎です。

 

恥骨結合炎が発生しやすい動作は、急停止や方向転換です。

サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどが恥骨結合炎をひき起こしやすいといわれています。

 

 

初期には大腿部の付け根や重さや張りを訴えることが多く、恥骨結合そのものの痛みを訴えることは少ないようです。

しかし押すと明らかな圧痛がありますので要注意です。

 

レントゲンやMRIで検査します。

レントゲンでは恥骨の先端に虫食いのような変化が見られます。

MRIの場合は多くの場合、恥骨結合の横に白く見える変化が現れます。

 

恥骨結合炎は鼡径部痛と呼ばれる事もありますが、正確には鼡径部痛を発生させる障害の一つと考えるのが妥当です。

 

恥骨結合炎は内転筋に過緊張が認められますが、内転筋が過緊張する理由は

・外側に重心が流れているから

・骨盤にずれがあり負荷が高くなっている

・片足重心がつよい

など様々な原因が考えられるので

ただ内転筋をゆるめればいいと言うだけではなく

周囲の筋肉をまんべんなくケアしていく必要があります。

コンパートメント症候群

下腿には脛骨と腓骨という2本の骨が存在し、その周りを筋膜に囲まれた筋肉のグループが取り巻く構造になっています。

このため打撲などで内出血を起こしたり疲労などで筋肉が腫れたりすると下腿の内圧が上がってさまざまな症状を起こします。

これをコンパートメント症候群といいます。

急性と慢性がある

コンパートメント症候群には

慢性と急性があり

前方コンパートメントに発生する例がもっとも多くみられます。

 

運動負荷が加わり筋肉が疲労すると、筋肉が腫れて体積が大きくなります。

この状態でさらに運動が続き筋肉の収縮や関節の動きが起こると筋肉の内圧が高くなり、それが筋肉の毛細血管の圧力を超えると血液が毛細血管を流れることが出来なくなるため、筋繊維は血液不足に陥ってしまいます。

 

慢性コンパートメント症候群は、運動した時にコンパートメントの場所に

筋肉痛、特に締め付けられるような痛みが特徴です。

例えると血圧計のマンシェットを長時間巻いて血流を止めた時の痛みを同じです。

運動をやめれば痛みは徐々に軽減しますが、長期化すると足のしびれや知覚の低下、脱力などが現れます。

 

急性コンパートメント症候群では

激しい痛みが起こり、筋肉を動かせないほどの苦痛が発生します。

 

慢性コンパートメント症候群の場合は運動量を制限して、筋肉の疲労を取る事で症状が無くなることを待ちます。

安静のみで改善が難しい場合は足底板を利用することで動作中の筋活動を減らすなどして様子を見ます。

整体や鍼灸の施術も効果的です。

 

慢性化してしまい症状がどうしても取れない場合はコンパートメント内圧を下げるために筋膜切開の手術を行ないます。

 

急性コンパートメント症候群では内圧によって筋繊維の壊死が進むため状態が確定した場合は速やかに筋膜切開を行います。

こうした対応が遅れると筋繊維の壊死が広範囲となり永続的な後遺症が残ってしまいます。

野球肘

原因となるのは投球動作です。投げる時には肘関節が外側へ反るためこれが負担になります。

一連の投球動作でコックアップ期に振り上げた腕が加速期にむかって前方に振り出されるとき肘関節は外側に反ります。つまり投球を行うたびに肘関節は反っているのです。

こうした動作が繰り返されることで関節が障害を発生していきます。

内側型

肘関節の内側には内側上顆という突起があり、この突起の根元に成長軟骨があります。

投球動作で投球動作で肘関節の内側に引っ張られる力が繰り返し加わると軟骨層が裂けて広がる裂離骨折が発生します。

大人の骨格では内側の靱帯の付着部に部分的な断裂が起こります。その結果肘関節の内側が不安定になります。

外側型

肘関節の外側では上腕骨小頭と呼ばれる部分が衝突や圧迫を受けます。

それによって表面の軟骨に傷がつき下層の骨とともに剝がれたり下層の骨が傷ついたりします。

またこうした変化が進行すると関節の中に関節内遊離体(関節ネズミ)という軟骨のかけらができたり上腕骨小頭がつぶれてきたりします。

後方型

肘関節の後方では投球動作の後期に肘が伸ばされさらに伸びきる時に上腕三頭筋に引っ張られたり上腕骨と尺骨の肘頭部分が衝突したりします。これによって肘頭部の損傷が起こるのです。

具体的には肘頭部の成長軟骨が癒合しきらなかったり、癒合後の大人の骨に疲労骨折が生じたりします。

小中学生にはあまり多くなく高校や大学の選手にみられます。

症状について

投げるときに痛みが生じるのが主症状すが、中には痛みを自覚せず、肘関節の腫や可動制限を先に自覚することもあり

また、障害の起きている部位によって現れる症状に違いがあります。

 

内側型で成長軟骨の裂離骨折が起きている場合には、投球動作の途中で急性の激痛を感じるのが普通です。

 

外側型で上腕骨小頭が損傷している場合、変形が起きていると肘関節の可動制が起こります。また、関節内遊離体がでしまうと、これが関節の隙間に引っかり、瞬間的に関節が動かなくなるロッキングという症状が起こることがあります。

 

後方型では、投球動作の最後に、肘頭部に重い痛みを感じることがよくあります。

このタイプは、多くは年長の選手や成人の選手に見られます。

病院では

レントゲンやMRIによって損傷が明らかになります。

ただし、痛みのために病院を訪れる時点で、すでに損傷が進行していることがあります。

 

肘が伸びにくい、腫れがあるなど、普段と異なる状態があれば病院で検査を受けることが早期発見につながります。

予防

投げ過ぎないことが一番の予防です。

 

野球肘の多くの場合、一定期間の投球中止によって自然に回復しますが、骨の変化が強い場合には手術が必要になってしまいます。

 

成長途上の骨格に負担をかけすぎないために投球数の制限、連投禁止など年代に応じて指針が提案されています。

 

投手だけでなく、捕手にも同様の配慮が必要です。

TFCC損傷

TFCCは三角線維軟骨複合体の略称です。

手首の関節の小指側には、尺骨の先端と手の骨との間に、軟骨でできた三角形のクッション組織があります。

これが三角線維軟骨複合体です。

 

名前が長いので、英語名の略称であるTFCCがよく使われています。

TFCCの損傷は、急性のケガとしても発生しますし、慢性的な経過によって起こることもあります。

ラケットスポーツも原因に

急性のケガの場合は、2つのパターンがあります。

1つは、転倒して手を着いたときに、手の小指側に体重の大部分がかかってしまった場合。

もう1つは、他の選手との衝突を手で受け止め、手の小指側に大きな力が加わった場合です。

前者はサッカーをはじめとする多くの球技で、後者はラグピーやアメリカンフットポールで見られます。

 

このような場合には、橈骨と尺骨の間の関節も同時に損傷を受けていることが多いので、痛む部位を確認しておく必要があります。

 

慢性経過で発生する場合には、手首をやや小指側に反らせ、その状態で力を入れるような動作を反復することが原因になります。

テニスなどのラケットスポーツ、チアリーディングなどで見られます。

 

痛みと物が挟まった感覚

原因となるような動作を行うと、患都が痛んだり、物が挟まっているように感じがします。

急性のケガで発生した場合には、痛みだけでなく、患部の腫れも伴います。

以上のような症状のため、日常生活において、コップを持ったり、ドアのノブを回したりする動作ができなくなることもあります。

 

骨の状態も調べておく

TFCCは骨ではなくあくまで軟骨なので、レントゲン撮影では写りません。

そのため、症状から判断して進める場合もありますが

TFCC損傷を証明するためにはMRI検査が行われます。

 

レントゲン撮影が行われるのは、TFCC損傷に伴って骨折などの骨の異常が起きていないかどうかを調べるためです。

 

また、尺骨が橈骨より長いなど、TFCCが損傷を受けやすい形になっていないかどうかもチェックします。

 

アイシングと固定

痛みが発生したときには、まず患部のアイシングを行います。

さらに、包帯などで手首を支えるようにすることで、TFCCに負担をかけないようにします。

包帯などによる支えで痛みが引かない場合にはギプスで固定することにより、確実にTFCCへの負荷を減らします。

 

固定は3週間程度行い。その後、少しずつ動きを広げていきます。

ただし、しばらくは、手首を使う動作でTFCCに負担がかからないように、テーピングや取り外し可能な固定具を用いるようにします。

 

軽い流状が出たらテーピング

急性のケガとして発生するものは、予防することは困難です。

慢性経過で発生する場合には、違和感など軽い症状が出た時点で、TFCCにかかる負担を減らすようにします。

 

手首が小指側に反らされないようにテーピングなどをすることで、悪化するのを防げる可能性があります。

 

橈骨よりも尺骨が長いためにTFCC損傷を含めた手首の痛みを繰り返している場合には、尺骨を短くする手術が行われることがあります。

 

ただし、骨が癒合するまでに最低でも3カ月間はかかり、その後のリハビリテーションを含めれば、スポーツ復帰までにかなりの長期間が必要となります。

安易に手術を選択すべきではないでしょう。

腰椎分離症

腰椎の後方部分で疲労骨折が起こり、進行すると骨が割れた(分離した)状態になるのが腰椎分離症です。

 

以前は腰椎の後方が割れた状態になってから発見されていたため、先天性の可能性も議論されていました。

 

ところが、スポーツ選手に明らかに多いこと、痛みの出始めの時期にはレントゲン撮影で異常がないのに、しばらくすると割れた部分が見つかること

などから、大部分は後天的におこることがわかってきました。

 

最近ではまず疲労骨折として発生し、それが治らず進行して完全に分離してしまったものが、レントゲン撮影で発見されているのだと考えられています。

原因

野球、サッカー、体操、ウェイトリフティングなどのスポーツでよく見られるなど書かれている文献もありますが、どの競技においても発生するリスクがあります。

 

損傷が発生するのは第5腰椎が多く、腰椎の後部にある関節突起間部に骨折が起こります。上下の椎骨との関節を形成する突起の間の部分です。

 

力学的なモデルを用いた実験研究で、

腰椎に反りやひねりを加えると、関節突起間部に負荷が集中すること

が明らかになっていてそれが原因だあると考えられています。

漠然とした腰痛から

分離症の初期は漠然とした腰痛が起こります。

腰を反らせたり、ひねったりしたときには、損傷部位に力が加わるため、痛みが誘発されます。

しかしそれ以外のときには、漠然とした腰痛を感じるにすぎません。

 

そのため、重大視さないままスポーツを行ってしまい、進行させてしまうことがあります。

いざ激しい痛みが出た時には立っていられないほどの痛みになる場合もあります。

初期の検査にはCTやMRI

初期の疲労骨折の段階では、レントゲン撮影では検出することができません。そのためCTやMRIによる検査が行われます。

これらの検査だと初期の疲労骨折でも写し出されます。

分離症は早い段階で適切な処置が行われずに進行すると、骨が完全に分離してしまいますので要注意です。

 

また、MRIの画像では、骨が癒合する反応が起きているかどうかも判定できます。

癒合する場合、骨折の周囲の血流が増えるため、MRI画像では白く写し出されるのです。

進行した骨折でも、MRIで癒合の反応が現れていれば、安静にすることで回復効果が期待できます。

コルセットを使って安静に

骨が癒合する可能性がある場合には、患部を安静に保ちます。

特に腰を反らせたりひねったりする動作は、損傷部位に負荷かけるので行わないようにします。

 

腰部の動きを制限するためには、コルセットを用います。

コルセットは、骨盤から肋骨まで覆う長さが必要です。

 

3カ月間コルセットで動きを制限することで、損傷のほとんどは治ります。

 

ただし、MRI検査で骨が癒合する可能性がないと判断できた場合には、長期間の安静は意味がありません。

 

痛みが軽くなれば、運動を少しづつ始めていきます。

分離症の予防

腰椎分離症のたいていは、下肢や臀部の筋肉の柔軟性が低下している成長期に発生します。

なので下肢後面の筋肉を柔軟に保つため、

ハムストリングや大臀筋など下肢の後面のストレッチングを行い、

筋肉を柔軟に保つことが腰部に加わる負荷を軽減するのに役立ちます。

骨盤の剥離骨折

成長期の骨には成長軟骨があります。

この部分が筋肉や腱に引っ張られると、その部分で骨が剥がれてしまう

「裂離骨折」

という障害が発生します。

 

骨盤の骨にも成長軟骨があり、全身の中でも裂離骨折が起きやすい多い部位とされています。

 

成長軟骨は骨を成長させて大きくする働きがありますが、ここは成長期の骨のウイークポイントでもあります。

また、骨が成長する時期は、骨の長さが伸びることによって、相対的に筋肉は短くなってしまいます。

そのため、筋肉は常に緊張した状態を強いられ、骨端核を引っ張ることになります。

その引っ張る力も裂離骨折を引き起こす原因となります。

 

このような状態は、最も身長が伸びる中学生によく見られるもので、

骨盤裂離骨折もほとんどは中学生におこります。

ただし、成長が早い場合には、小学校高学年で発生することもあります。

全力疾走やボールのキックで発生しやすい

多くは全力疾走をしているときに発生します。ボールを思い切りキックするときに発生することもあります。

 

骨盤には多くの筋肉が付着していますが

○上前腸骨棘には縫工筋が付着し

○下前腸骨棘には大腿直筋が

○坐骨にはハストリングが付着しています。

 

これらの筋肉は、全力疾走をするときに大きな力を発揮したり、筋肉が伸ばされて張力が大きくなったりします。

これらの力が成長骨の強度を超えると、骨端核の骨のかたまりが剥がれてしまうのです。

レントゲンで部位と程度を確認

骨盤のレントゲン撮影を、正面と斜めからの2方向で行います。

それによって、この成長軟骨に損傷が起きたのか、剥がれた骨がどの程度ずれているかが明らかになります。

 

裂離骨折の生じている部位は強い痛みを感じます。

ときには「ボキッ」というような骨折音がして、走ることができなくなることもあり

ます。

対処は状態により「安静」か「手術」

剥がれた骨端核が本来の位置からそれほど離れていなければ、安静にすることで骨端核と骨盤の癒合が起こります。

その場合、1カ月ほどは運動を中止します。

剥がれた骨端核が本来の位置より5cm以上離れている場合には、筋肉の付着部を元の位置に近づけるため、手術が必要になります。

 

成長軟骨層が消えて成人の状態になる時期は部位によって異なり、骨盤の骨では高校生以降の年代になります。

ただし、成長期の後期には成長軟骨層が薄くなり、骨化が進むため、裂離骨折は起こりにくくなるようです。

そのためか、高校生では骨盤の裂離骨折は少なくなります。

 

裂離骨折の危険性が高いのは骨の成長が活発な時期ですが、この時期には筋肉の柔

軟性が低下しています。

筋肉の柔軟性の低下が裂離骨折の危険性を高めているので、関係する筋肉のストレッチングを十分に行うことが予防に役立ちます。

大腿部の前側と後ろ側のストレッチングを行うようにします。

梨状筋症候群

梨状筋という名前は、一般的にはあまり知られていませんが、最近のスポーツ界では、この筋肉に関係する障害が増加しています。

 

梨状筋は臀部にある筋肉です。臀部の大部分は大臀筋に覆われていますが、それよりも深い部分に位置しています。

股関節を外側に回す(外旋)働きを受け持っており、立った姿勢ではつま先や膝を外側に向ける運動をします。

また、股関節の後方の壁として、関節を安定させるインナーマッスルとしての働きもしています。

 

この梨状筋の下側を坐骨神経が通っています。

坐骨神経は狭い隙間を通って大腿部へと下降していくため、梨状筋が坐骨神経を圧迫してしまうことがあります。

このようにして坐骨神経に症状が生じる場合を、梨状筋症候群と呼んでいます。

原因

なぜ梨状筋症候群が発生するのか、まだよくわかっていません。

その症状がよく見られるのは、ランニングを主たるトレーニング手段としている選手たちという説もありますが、スポーツをしているしていないに関わらず発症する可能性は十分にあります。

 

梨状筋症候群の症状を持つ人を調べると、梨状筋が硬くなり、柔軟性が失われています。

こうしたことから、梨状筋を疲労させるなんらかの動きが、梨状筋症候群の発生に関係していると考えられています。

 

梨状筋に限らず、閉鎖筋群や、足の四頭筋、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯など、股関節周辺の筋肉全般が硬くなっています。

臀部・大腿後面の痛みやしびれが出る

患側の臀部から大腿後面にかけて

・痛みがある

・重だるい

・しびれる

・脚に力がらない

といった症状が現れます。

椎間板ヘルニアで見られるような典型的な筋力低下や知覚低下は、多くの場合見られません。

 

その他

・走っているときに力が抜ける

・不安定な足運びになる

などを訴える選手も多いです。

いすに長時間座っていると症状が出て患部を浮かせたくなる、という訴えもしばしばあります。

判症状や筋力低下を参考にして判断する

前述した自覚症状の他

・梨状筋の圧痛

・柔軟性低下(股関節の内旋可動域の低下)

・関節を外旋させる筋力の低下

・内旋を強制することによる症状の再現

などを参考にします。

 

MRIなどの画像検査も行われます。

梨状筋症候群と判断するためには椎間板ヘルニアでないことを確認することが重要で、そのためには腰椎の検査が必要です。

梨状筋そのものは画像上あまり変化が見られないにで、ほとんどの場合確定の決め手にはなりません。

臀部の筋肉の柔軟性を高める

運動をしてもいいかどうかは、運動中のどのような状態で症状が発生するかによって異なります。

走ると常に痛み、重だるさ、力の入りにくさが現れる場合は、走ることを中止する必要があります。

最初は問題ないが、筋肉に疲労がたまるトレーニング後半に症状が出る場合には、症状が出ない限り運動は許可します。

 

対策としては、原因となっている梨状筋を含めた臀部の筋肉の柔軟性を向上させます。

そのために、ストレッチングを行います。

梨状筋のストレッチングは1人で行うのが難しいので、うまくできないようであれば協力者のサポートを受けて行います。

梨状筋に限らず、下肢全般の筋肉も緩めてあげることが効果的です。

 

予防は臀部の筋肉に疲労をためないこと

梨状筋症候群の発生メカニズムに関する研究が行われていますが、まだはっきりした危険因子はわかっていません。

ただ、臀部や大腿部の筋肉に疲労を蓄積させないように手入れしたり、疲労を管理したりすることが有効と考えられています。

 

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