スポーツトレーナーとしての最低限の知識

幼少期からサッカー、野球、バスケなどのスポーツをやっている方で、

スポーツトレーナーになってみたい!と思った事がある人も多いのではないでしょうか?

スポーツトレーナーになるにはどういった知識がいるのか??

という事をお伝えしていきます!

 

スポーツトレーナーは「アスレティックトレーナー」と「コンディショニングコーチ」に分けられます。

アスレティックトレーナーはメディカル部分を担当することが多く、競技者の健康管理・傷害予防・応急処置・リハビリなどを担当し、コンディショニングコーチは競技者の肉体を作り上げるストレングス(筋力)トレーニングやコンディションの調整が主な仕事です。

両方を兼任することも多くあります。

【必要な知識】

  • 解剖学
  • (運動)生理学
  • 栄養学
  • 心理学
  • 医療(応急処置・代替医療)
  • スポーツ界の最新情報知識

必要な知識としては、

解剖学、生理学、栄養学、心理学、医療(応急処置・代替医療)、スポーツ界の最新情報などと多岐に渡ります。

一口にスポーツトレーナーといえど、様々なジャンルの事を学ばなくてはいけません。

トレーニングとは?

トレーナーというからには、トレーニングの指導もやっていきます。

トレーニングとはどういったものなのでしょうか??

環境や運動の刺激に対する人体の適応性を利用し,身体運動を行うことによって意志力を含めた人間の体力を高めること,もしくはその過程をいいます。

生体は運動という刺激(トレーニング負荷)によって変化を生じ,それを繰り返すことによって機能を高めることができます。

これをトレーニング効果と呼び,期待できる効果として,筋力,持久力をはじめとして,神経系統の機能が高まることによる調節力,巧緻性の向上があげられます。

トレーニング負荷の指標としては,心身の生理的な応答がとれうる内的負荷と,走向距離や挙上重量などを指標とする外的負荷があります。

 

トレーニングの3原理5原則

3原理

過負荷の原理

過去に経験した負荷よりも高いトレーニング強度やストレスを身体に与えなければ、さらなる成果を得られない

可逆性の原理

トレーニングを中止すれば、やがてトレーニングの効果はなくなっていく

特異性の原理

トレーニングした内容に応じて効果が表れること

5原則

意識性の原則

鍛える部分に意識を向けることで、より運動の効果があがるという原則です。

細かく意識を向けられるとより効果的です。

運動方向や動作時の筋肉の動きまで把握し、ターゲットの筋肉をしっかりイメージできるとさらに良いです。

全面性の原則

身体は全体的にバランスよく鍛えることで、健全に強くできます。

鍛える部分が偏ると、全身のバランスが崩れてしまうかもしれません。

そうすると、関節や筋肉、身体の一部分にストレスがかかってしまったり、偏った運動パターンになってしまいます。

それが続くと、痛みや怪我やパフォーマンスの低下につながっていく可能性が高くなります。

スポーツによっては、そのスポーツ特有の動作に対して鍛える必要はありますが、それが偏りすぎるのも良くありません。

上半身ー下半身、前ー後ろ、左ー右、全体のバランスを考えながら運動しましょう。

漸進性(ぜんしん)の原則

トレーニング始めたばかりで、いきなりすごい負荷をかけるのではなくて、順を追って少しずつ進んで行きましょう、ということです。

特に筋力訓練の最初は、神経系の適応期間(眠っていた筋肉が目覚める期間)があります。

神経系が適応されて、筋線維の動員率が上昇します。(運動単位の動員)

より多くの筋線維を運動に利用できるようになるためには時間が必要です。

効果が出て、慣れてきたら、今度は筋線維を肥大させていく段階になります。

負荷や回数を徐々に増やすことで、体を壊さずに筋力をアップさせていきます。

ずっと同じ負荷、回数で行なっていると、その負荷に慣れてくるので、

さらに強化したい場合は、

負荷量、回数、頻度、時間、バリエーションなど、継続して変えていくことが効果的です。

個別性の原則

個人の特性に合わせたトレーニングをしましょうという原則です。

年齢、性別、くせ、筋肉の質、個人の能力が異なれば、同じことをしたとしても効果が変わります。

逆にいえば、自分の体に合った訓練方法や、やり方がわかれば、効率的に体を鍛えることができます。

筋トレするにしても、体が硬い男性の筋トレ方法、今まで運動したことがない女性の筋トレ方法、小学生の筋トレ方法、は違います。

反復性の原則

続ける事で効果が出るという原則です。

漸進性の原理のところで、神経系の適応期間に関して触れましたが、それは2〜3週間くらいと言われています。

その後継続し、6〜7週間抵抗運動を加えていると、個々の筋線維が肥大してきます。

反復や継続が効果を発揮してくれます。

続けることで、身体や神経系は強化され、定着し、『自分のもの』とすることができます。

筋肉トレーニングの設定

トレーニングの代表格として筋肉トレーニングがあります。

せっかく筋肉トレーニングをしても身にならなければ意味がないです。

目標に向かってしっかり設定をする必要があります。

レジスタンス(筋の収縮に対して負荷を与える事で筋力を高める)トレーニング

 

※1RM(レペティション・マキシマム)=ウエイトでギリギリ1回上げる事のできる最大挙上重量

筋力を高める

〇負荷漸増

〇短縮性、伸張性動作

〇単関節、複合関節

〇大筋群→小筋群

〇複合関節→単関節

〇高強度→低強度

(初期負荷)

:初級 60~70%1RM、8~12回

中級~上級 80~100%1RM、1~12回

(最終的な負荷)

:1~6RM、セット間3分、1~2秒(短縮性・伸張性動作)

(負荷増加の目安)

:目標回数より1~2回多くできる様になったら、2~10%負荷増

(頻度)

:初級~中級 週に2~3日

上級 週に4~5日

筋持久力を高める

〇複合関節運動

〇短縮性、伸張性動作

(負荷)

:初級 50~70%1RM(10~15回)1~3セット

中級 50~70%1RM(10~15回以上)複数(3~6)セット

上級 30~80%1RM(10~25回以上)複数(3~6)セット

(休息)

:高回数 セット間1~2分、10~15回、セット間1分未満

(頻度)

:初級 週に2~3日

中級 週に2~4日

上級 週に4~5日

パワーを高める

〇複合関節運動

〇短縮性・伸張性動作

〇大筋群→小筋群

〇複合関節→単関節

(負荷):30~60%1RM(速度重視の場合)、3~6回、1~3セット

85~100%1RM(力重視の場合)、1~6回、3~6セット

 

ピリオダイゼーション※

(休息):セット間2~3分、1~2分

(速度):初級 中速

中級~上級 高速

(頻度):初級から中級 週に2~4日

上級 週に4~6日

※ピリオダイゼーション 「期分け」時期によって行うトレーニングを少しずつ変化さていくこと。(刺激への慣れで、向上が停滞する)

以前と比べて、成人していない中学生や高校生でも筋力トレーニングを行っているところも多くなってきています。

骨の出来上がっていない中高生のトレーニングは成人よりも繊細な計画が必要です。

子供にとって、本当にその筋力が必要なのかを見極める必要があると思われます。

トレーニング後は超回復!

超回復とは??

トレーニングを実施すると、筋肉は一時的に疲労するが、一定時間(48~72時間)を空けることで、その疲労は回復します。

その時のトレーニングによる刺激が適切であったなら、一時的に刺激を与える前より、その筋力は高いレベルまで回復します。

この現象を「超回復」といいます。

 

トレーニング経験の浅い人、年齢の高い人は超回復に多くの時間を要し、トレーニングを十分に積んだ人、若い世代は短い時間で超回復できます。

 

超回復を考えると、トレーニングは少なくても1日空けたほうが良いですが、別の部位をトレーニングをするのであれば、毎日行うこともできます。

 

効果的な超回復を生じさせる6つのポイント

1.クーリングダウン(軽い有酸素運動・ストレッチ)

2.入浴・マッサージ

3.食事の量・バランス・タイミング

4.睡眠・休息

5.ストレッチによる積極的休養

6.有酸素運動による積極的休養

Mets(身体活動の強さ)

コンディションを正常な状態に保つために、基本的には運動は行わないより、短い時間でも行う方が絶対に良いです。

1日の身体活動の強さMets(メッツ)を知る事で、運動・活動の目安になりますので、下記を参考に自分の運動量を見直してみましょう。

 

目標は1週間に23エクササイズ

身体活動の強さ「メッツ」に、その身体活動を行った時間をかけて運動の量「エクササイズ」を計算します。

 

メッツ×時間=エクササイズ(メッツ/時)

 

1週間のエクササイズの合計が23エクササイズ以上を目標に。

そのうち4エクササイズ以上は活発な運動を。

 

例:1エクササイズ

・運動

早歩き(95~100m/分)を15分行った場合 4メッツ×0.25時間=1エクササイズ

・生活活動

階段を上る 8分行った場合 8メッツ×0.14時間=1エクササイズ

 

座っている時を1メッツとしてランニングが8メッツとなります。

 

  • 座る 1メッツ
  • 立つ 2メッツ
  • 歩く 3メッツ
  • 早歩き・自転車 4メッツ
  • かなり早歩き 5メッツ
  • 軽いジョギング 6メッツ
  • ジョギング・筋トレ 7メッツ
  • ランニング・階段上り 8メッツ

※消費カロリーは下記の公式に当てはめれば、比較的正確に求めることが出来ます。

消費エネルギー(カロリー)=〇メッツ×実施時間(時間)×体重(kg)×1.05

パワーとは??

1つの骨格筋あるいは筋群が瞬時に大きな能力を発揮する能力を「パワー」といいます。

 

パワーは筋収縮によって1回に発揮できる最大値である最大筋パワーで評価されます。

単位時間当たりの仕事量で定義され、

 

筋力(力)×筋収縮速度(速度)

 

で表わされます。

 

筋力と筋収縮速度は、力―速度の関係によってお互いに反比例し、筋力の増加とともに筋収縮速度は徐々に低下し、筋収縮速度の増加とともに筋力は低下していきます。

 

このため、パワー最大値である、最大筋パワーは、平均で最大筋力あるいは最大筋収縮速度の1/3程度で得られるとされています。

 

さらにパワーは筋力×筋収縮速度の積でありますが、例えばパワーが15という値であった時、3×5と5×3のような組み合わせが成立することから、同一のパワーでも筋力優位のパワーと筋収縮速度優位なパワーがあります。

 

 

パワーの測定

 

・自転車エルゴメーター

→ 最大パワー = 負荷 × 重力加速度 × 1回転の距離 × 回転速度

 

・垂直飛び

→ 助走やステップをせずに両手の反動を利用して垂直にジャンプし、最高到達点を計測する。

持久力トレーニングの設定

持久力トレーニングを実施するにあたっては、その目的に合わせて強度の設定を行う必要があります。

強度の指標には、

・最大酸素摂取量

・AL/LT

・最高心拍数

・RPE

・Mets

などがあります。

 

最大酸素摂取量、AL/LTはいずれも専門機器を用いた測定が必要です。

なので、最も簡便なのは、運動中の最高心拍数をもとに設定する方法です。

 

最大心拍数の求め方ですが、「220-年齢」というのが主流ですが、現在は「208-0.7×年齢」というのが性別・運動習慣に関係なく使えるので、主流になりつつあります。

ただし、最大心拍数というのは、個人差が大きくあり、心拍計や自分の手指を手首に当てるなどの計測がお勧めです。

 

陸上競技場のトラックのような安全なところで、4~5分のジョギングからスタートし、最大速度の50~60%から70%と徐々にペースを上げていきます。

8~12分で最速疾走に到達し、疲労困憊まで追い込みます。

その直後に心拍数を測定すると、その数値は最大心拍数とかなり近いものとなります。

 

全身持久力トレーニングの例

【LSD(Long Slow Distance)トレーニング】

運動中でも笑顔で会話できる位のペースでのジョギングです。

数値でいえば、運動中の心拍数が心拍予備量(最高心拍数―安静時心拍数)の50%、運動後の血中乳酸が2ミリモル以下なら、良いペースだといえます。

LSDをトレーニングとして取り入れる最大の目的のひとつは、持久的能力の向上です。

遅筋の機能を強化し、新たな毛細血管を作り出し、細胞内で酸素を取り込み脂肪燃焼を引き受けるミトコンドリアの数を増やします。

ウォーキングと比べても、単純に倍ぐらいの効果が得られます。

筋持久力

 

多くのスポーツでは、同じ筋肉が繰り返し使われ、筋肉が疲労してパフォーマンスの低下に繋がります。

「筋持久力」とはこうした要求される課題を、何回も繰り返せるかどうかという能力です。

 

筋持久力を測定するには、まず最大筋力(1RM)を測り、その1/3の力での課題を何回できるかでテストします。

 

一般的な体力テストではいわゆる、腕立て伏せ・懸垂が行われます。

また、腹筋運動を30秒の間に何回繰り返すことが出来るかを計る「上体起こし」も筋持久力のテストです。

 

筋持久力を高めるためには、赤筋を重点的に鍛えるのが良いです。

レジスタンストレーニングが多く行われ、腕立て伏せや懸垂なども筋持久力を高めるのに適した運動です。

 

バーベルやダンベルを用いて行う場合は、テンポ良く数十回の反復が可能な強度で、最大筋力の30~40%程度で行うトレーニングが筋持久力を効果的に高めるには有効です。

 

また、筋持久力を高めるトレーニングを続けると、毛細血管が発達し、筋肉を流れる血流量(筋血流量)が増加します。

すると、筋肉により多くの酸素を取り込む事が可能となり、運動に必要なエネルギーがより多く生み出されるようになります。

 

※最大筋力が高ければ、課題を楽にこなせるようになるので、筋持久力を高める効果がありそうに感じますが、最大筋力を高めるトレーニングでは主に白筋が鍛えられるため、筋持久力の向上にはあまり効果は期待できません。

ストレッチとは??

ストレッチとは、伸ばす・引っ張るという意味で、身体の筋肉をゆっくりっと引っ張ることで、関節の可動域を拡げる体操として、一般に広く普及しています。

 

ストレッチの種類には下記のものがあります。

 

・スタティックストレッチ

一般的に行われているストレッチ、主なものはボブ・アンダーソンが発表しています。

リラックスして出来るので、運動後に最適です。

 

・ダイナミックストレッチ

動きの中で関節を色々な方向に動かすことで、関節可動域を広げるストレッチ。

皆さんご存じのラジオ体操もこれにあたります。

筋肉の温度を上げてくれるので、運動前に行うのが良いでしょう。

 

・バリスティックストレッチ

少しずつ、反動を大きくしながら関節可動域を広げていくストレッチです。

 

・パートナーストレッチ

ペアで行うストレッチです。

 

・PNFストレッチ

パートナーの力を借りて、緊張とリラックスを繰り返すことによって行うストレッチです。

理学療法の一つとして行われたストレッチですので、熟練した技術が必要です。

 

 

※ストレッチ時の注意点(スタティックストレッチ)

・呼吸を止めない

・勢いをつけない

・気持ちの良い場所で止め、その姿勢を20秒間キープする

・リラックスした状態で行う

・体が温まった状態で行うとより効果的

・基本として、全身行う

・他人と競うことはしない

エネルギーの作り方

CP系・解糖系・有酸素系

人間の活動、すなわち筋収縮には、筋肉に貯蔵されている「ATP(アデノシン3リン酸)」が

「ADP(アデノシン2リン酸)」に分解されるときのエネルギーが使われます。

しかし、貯蔵されているATPの量に限りがあるため、活動を続けるには消費したATPを

再合成して補充しなければなりません。

食事から摂取した栄養素を分解して得られるエネルギーを利用してATPを再合成していま

す。

この過程をエネルギー代謝といい、主な経路に、酸素を利用する「有酸素系」、酸素を利用しない「CP系」、「解糖系」の3種類があります。

 

CP系はATPの他に筋の内部に存在する「クレアチンリン酸」という物質がクレアチニンと

リン酸に分解する時に発生するエネルギーを利用してADPをATPに再合成します。

CP系では瞬時に大きなエネルギーを供給できますが、筋肉内のクレアチニン酸の容量が少ないので、フルに動員すると10秒以内に枯渇します。

 

解糖系は、筋の中にある糖質が多段階の分解を経てピルビン酸という物質に変換される過

程で得られるエネルギーによりADPをATPに再合成します。

分解は血液中のグルコースから始まり、運動により血糖だけではエネルギーが不足すると、筋や肝臓に蓄えられたグリコーゲンが分解され、再合成に使用されます。

解糖系はエネルギー供給の速度、時間ともに他の二つの供給系の中間で、フルに動員すると30秒前後で枯渇します。

 

有酸素系は、解糖系で生成されたピルビン酸や血液中の脂肪酸が細胞のミトコンドリア内にあるTCA回路に取り込まれ、ATPが産生される。

有酸素系は供給速度が遅いが、酸素が十分に供給され、かつ糖質や脂肪があれば長時間エネルギーを供給することが出来ます。

 

例:

100M走などではエネルギーの大部分は、供給の素早いCP系から供給され、高強度で1分程度持続できる運動では、解糖系からのエネルギーが中心となる。

 

乳酸は疲労物質ではない?

強度が低い運動の場合、解糖系で生成されたピルビン酸が有酸素系に渡され、ATP再合成に使われるが、運動の強度が高くなるとピルビン酸は乳酸に変換され血液中に放出されます。

乳酸は作られた筋でピルビン酸へと再変換されたのちTCA回路でATP再合成に使用されたり、肝臓や他の筋に運ばれてピルビン酸、そしてグルコースに変換され再利用されます。

これまで乳酸は、筋の疲労物質として運動を阻害するものと考えられてきましたが、近年の研究では否定されてきています。

瞬発力を鍛える、プライオメトリックス

筋の「伸長ー短縮サイクル」

陸上競技の短距離や多くのボールゲームでは、瞬発的な動作が常に要求されます。

そしてそれらの動作は、筋の「伸長-短縮サイクル」によってなされています。

 

その筋の「伸長-短縮サイクル」を効果的に使うためのトレーニングが「プライオメトリックス」です。

動作の素早い切り返し、爆発的なパワーを鍛える為に行われます。

 

その仕組みは、主動作の前に予備的に筋を伸長させることによって、筋腱複合体に弾性エネルギーを蓄え、伸張反射(伸ばされたら筋が縮もうとする性質)で生じる筋収縮エネルギーと、意図的な筋収縮エネルギーを合わせて、瞬間的に大きなパワーを発揮させるというものです。

 

また、プライオメトリックスは、神経系の制御によって、「最適な動作スピード、姿勢、力発揮の位置とタイミング」を学習するトレーニングであることから、神経―筋の協調性を改善するトレーニングであり、筋の発揮張力がその瞬間に最大となる様に、予備伸長動作を行う事が重要です。

動作のポイントは、

①伸長速度(筋が伸長される速度が早ければ早いほど発揮される張力は大きくなる)

②関節アライメント(主動作筋が最大張力を発揮できる関節の配置、動作姿勢)

③切り返しのタイミング(最大パワーが発揮されるタイミングで動作を切り返す)

④瞬間的な切り返し(動作の減速・加速をできるだけ短時間で完了する)

 

プライオメトリックスは、筋骨格系に対して、瞬間的に非常に大きなストレスがかかるため、スポーツ損傷を起こさないように、導入には慎重にならなくてはいけません。

 

筋力トレーニングにより基礎的な筋力を十分に養っておくことが大切であり、強度も低く、量も少ない所からはじめ、徐々に強いストレスに慣らしていく事が必要です。

 

 

例:デプスジャンプ

20~30センチくらいの台から両足で地面に着地し、素早くジャンプする

トレーニングの種類

レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)

自重トレーニング

自分の体重を負担に用いたトレーニング。器具などはつかいません。

腕立て伏せやスクワットなど。

フリーウエイトトレーニング

重力が直接働く重量物(バーベル、ダンベル等)を使用して筋肉を鍛えるトレーニング。

チューブトレーニング

チューブもしくはバンド上のラバーの伸縮を利用して行うトレーニング。

インナーマッスルトレーニング(傷害予防)や正確な動き作りに有効。安全性も高い。

マシントレーニング

錘や油圧などを負荷としたマシンを利用するトレーニング。

動きの軌道が一定であるため、フォームの習得が容易。

特定の筋を重点的に鍛えることができ、安全性が高い。

スロートレーニング

筋力トレーニングで用いる運動をゆっくり行うトレーニング。

実際の負荷以上に高い負荷を与えられたのと同様の効果が得られる。

コアトレーニング

コア(体幹部)のインナーマッスル(腹筋群・背筋郡・脊柱起立筋・腸腰筋など)を鍛える事によって、筋―神経系の働きを改善することが出来れば、身体全体を力強く使える様になる。

パワートレーニング(筋パワー)

プライオメトリックス

筋の伸長―短縮サイクルを利用して、瞬発力を高めるトレーニング。

バリスティックストレーニング

「目の前にある負荷を瞬間的に強く加速させる」トレーニング。

ポイントは「負荷を持ち上げる」のではなく、「一気に加速させ、すぐに力を抜く」という事。

ジャンプは典型的なバリスティックトレーニングであり、プライオメトリックスにはバリスティックトレーニングの要素も含む。

スピードトレーニング(スピード、敏捷性)

アジリティトレーニング

様々な状況下で加速、減速、再加速、方向転換、回旋動作を良いボディバランスを保ちながら、より速く・よりパワフル・より効率的に行なう能力を養うトレーニング。

例:ラダートレーニングなど

バランストレーニング

コアトレーニング

コア(体幹部)のインナーマッスル(腹筋群・背筋郡・脊柱起立筋・腸腰筋など)を鍛える事によって、筋―神経系の働きを改善することが出来れば、身体全体を力強く使える様になる。

スタビライゼーション

コアトレーニングの一つ。

自重を負荷として様々なポーズをとり、重心をコントロールすることで主動筋だけでなく、拮抗筋や協働筋を合わせて鍛え、バランス能力を鍛える。

全身持久性トレーニング

インターバルトレーニング

一定の間隔(距離)で、疾走と休息を繰り返し行うトレーニングで、主に心肺に負荷をかけて、心肺機能を向上することを目的とする。

サーキットトレーニング

7~10種目を一まとめにして、種目間の休息をほとんど取らずに行い、少し休憩を取ってから、数セット行う。

全身の筋群をバランスよく強化し、筋持久力や全身持久力の向上に効果がある。

LSD

LSDトレーニングは「長くゆっくり、距離を踏む」こと。

「筋持久力」と「心肺能力」を同時にアップできる。

笑顔で話しながら走れるペースで長距離を走る。

柔軟性トレーニング

PNFストレッチ

元々は脳障害などのリハビリ用に開発されたもの。

筋肉に刺激を与えて収縮させた後に、その筋肉をストレッチで伸展させることを繰り返し行い、筋力強化と共に柔軟性・神経伝達能力を高める。

まとめ

スポーツトレーナーの仕事は多岐にわたり、専門性が高いうえ、結果重視のハードな世界で生き残る必要があるため、スキルや能力をしっかりと身につけておく必要があります。

ただし、携わる現場・スポーツの種類などによって求められるものは変わってくるため、まずは自身の現場で求められるスキルや能力を正しく理解することが重要です。

もし就職まで考えているなら、知識や技術・その他スキルを証明する必要が出てくるため、医療系国家資格やアスレチックトレーナーなどの資格取得を考えるべきかもしれません。

 

トレーナの仕事というのは、選手やチームスタッフの人生をも左右する場面に遭遇する場合があります。

スポーツが好きだだけでなく、強い想いをもって挑みましょう!

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