先日、妻のまぶたに「めばちこ(ものもらい)」ができてしまいました。
鏡を覗き込みながら「病院に行こうかなぁ……どうしよう」と本気で悩んでいたので、すかさず「とりあえず葛根湯飲んどいたら?」
とすすめてみたところ、「はぁ? 何それ!?」と露骨に怒りの表情を向けられてしまいました。
「こっちは痛くて本気で悩んでるのに、適当なこと言わないでよ!」と、まったく信じてもらえません。
「風邪薬のイメージが強い葛根湯でめばちこが治るわけがない」と思うのは無理もありません。
しかし、漢方の添付文書や適応症をよく見てみると、葛根湯は風邪のひきはじめだけでなく、頭痛、肩こり、そして「炎症性の疾患」全般にも効果があると明確に書かれています。
さらに、葛根湯の根本的な働きは「体を芯から温めて血流を促進すること」です。
冷えて滞った巡りを良くし、自分自身の回復力を底上げしてくれます。
そこで「めばちこそのものがスパッと治るかは人それぞれやけど、体を温めて血行を良くして悪いことなんて何一つないやん? だまされたと思って一回飲んでみたら?」と丁寧に説明してみました。
妻は疑いの色を浮かべながらも、しぶしぶ葛根湯をお湯に溶かしてゴクリ。
すると、それからしばらく経ったころ、妻が不思議そうな顔をして戻ってきました。
「……なんか、効いてるような気がする〜〜〜!」と。
腫れぼったい痛みが引いて楽になったようで、さっきまでの怒りはどこへやら。
「ほら、だから言うたやろ!」と思わず笑ってしまいました。
葛根湯を飲むと発汗が促され、体の巡りが一気に活性化します。
血流がスムーズに患部へ届くようになれば、白血球などの免疫細胞がしっかり働ける環境が整い、結果として自己免疫力がグンと引き上がります。
そのため、風邪の初期症状だけでなく、めばちこのような初期の軽い炎症や、首・肩の急なこわばり、ちょっとした頭重感など、「えっ、こんな症状にも?」と思うような意外な不調がスッと落ち着くケースは珍しくありません。
「風邪の薬」と決めつけず、体が冷えて巡りが悪くなっているときや、軽い初期の炎症トラブルを感じたときのお守りとして、葛根湯の温め効果を上手に活用してみてはいかがでしょうか。

著者紹介 江尻俊
1997年業界入り、大阪府池田市にてエジリカイロプラクティックさかえ鍼灸院を2008年に開業。カイロプラクティック・オステオパシーを学ぶところから始め、その後鍼灸、その他の施術法を数多く学び、現在では、体・心・栄養のすべてからアプローチする独自の施術を確立し、自身が自然療法で救われた経験を原点に、お子様からご高齢の方まで、一人ひとりの不調をサポートし続けている。


