- 夏の盛りとなるこの時期、首・肩の張りや腰の違和感、足のつりなど「筋肉の急な痛み」を訴えて来院される方が増えてきます。
骨盤や背骨の歪みをチェックしてもそれほど大きなズレは見当たらないのに、触れると筋肉がガチガチに強張っている。
そんな方々のお話を詳しく伺ってみると、共通して浮かび上がってくる根本的な原因が「水分不足(プチ脱水)」です。
人間の体は、わずか2%の水分が失われただけでも明確な不調のサインを発し始めます。
体内の水分や汗とともに失われる塩分(ナトリウムやカリウムなどの電解質)が不足すると、筋肉の収縮と弛緩をコントロールする神経伝達が狂い、筋肉が異常に硬直してしまいます。
夜中や朝方に突然起きる「こむら返り」はその代表例です。
さらに、唇のかさつき、立ち上がったときの微弱なめまいや立ちくらみといった小さな異変も、体からのSOSサインにほかなりません。
筋肉は本来、水分をたっぷり含んでスポンジのように柔軟性を持っています。
しかし、水分が枯渇すると弾力を失い、ゴムのように硬く縮こまります。この状態で普段通りに動こうとすれば、少しの動作でも筋線維に過剰なストレスがかかり、強い痛みやコリとなって現れてしまうのです。
「健康のために1日2リットルの水を飲もう」とよく耳にしますが、意識して2リットルを飲み切るのは実際なかなか大変なもの。
喉が渇いてから一度にがぶ飲みするのではなく、起床時、入浴前後、仕事の合間などにコップ1杯ずつ、こまめに補給していく習慣が定着の近道です。
そして、夏場に最も気をつけたいのが夜の晩酌です。
蒸し暑い一日の終わりに冷えたビールをグビグビと煽る瞬間は格別ですし、その最高な気持ちはとてもよく分かります。
しかし、アルコールには強い利尿作用があるだけでなく、肝臓がアルコールを分解・代謝する過程で体内の貴重な水分を大量に消費してしまいます。
喉の渇きをビールで潤しているつもりでも、体の中では余計に脱水が進行し、翌朝の筋肉の硬直やコリを悪化させる引き金になってしまうのです。
晩酌を楽しむときこそ、お酒と同量以上の常温の水を横に置き、交互に口にする工夫が欠かせません。
夏の筋肉トラブルは、歪みだけでなく「水分の巡り」も鍵を握っています。丁寧な水分補給でしなやかな筋肉を保ち、猛暑を元気に乗り切っていきましょう。


著者紹介 江尻俊
1997年業界入り、大阪府池田市にてエジリカイロプラクティックさかえ鍼灸院を2008年に開業。カイロプラクティック・オステオパシーを学ぶところから始め、その後鍼灸、その他の施術法を数多く学び、現在では、体・心・栄養のすべてからアプローチする独自の施術を確立し、自身が自然療法で救われた経験を原点に、お子様からご高齢の方まで、一人ひとりの不調をサポートし続けている。



