当院の施術において、重要視しているアプローチのひとつが「頭蓋骨の歪みをとる」ことです。
実際に頭蓋骨の調整を受けている患者様からは、
「そっと触れられているくらいにしか感じない」
「何をしているんだろう?」
と不思議そうに言われることがよくあります。
バキバキと強い力を加えるわけではないため、一見すると何の変化も起きていないように思えるかもしれません。
しかし、この非常に繊細なアプローチこそが、脳の働きを活性化させ、正しい骨格の位置を身体に記憶させるために欠かせない施術なのです。
頭蓋骨は「ひとつの骨」ではない
人間の頭蓋骨は、ヘルメットのように硬いひとつの骨でできているわけではありません。
下顎骨や舌骨を含めると、実に「23個(耳小骨を含めると29個)」ものパーツが組み合わさって構成されています。
これらの骨同士は、「縫合(ほうごう)」と呼ばれるギザギザとした継ぎ目でしっかりと連結しています。
腕や脚の関節のように大きく曲げ伸ばしができるわけではありませんが、縫合にはわずかな「弾力(あそび)」が存在します。
脳を守り、脳疲労を取り除く「弾力」の役割
この縫合が持つわずかな弾力こそが、私たちの脳を日常の衝撃から守るクッションの役割を果たしています。
さらに、頭蓋骨の内側では「脳脊髄液」という体液が微弱なリズムで循環しており、頭蓋骨全体がわずかに呼吸するように動くことで、脳に栄養を届け、老廃物を排出しています。
しかし、長時間のデスクワーク、スマホ操作、精神的なストレス、噛み合わせの偏りなどが重なると、頭蓋骨のバランスに微細な歪みが生じます。すると、本来あるはずの縫合の弾力が失われ、頭全体がギュッと固まった状態になってしまうのです。
頭蓋骨の弾力が失われると、内側にある脳は常に微細な圧迫やストレスを受け続けることになり、脳疲労が蓄積しやすくなります。
「寝ても疲れが取れない」「頭が重だるい」「集中力が続かない」
といった不調は、頭蓋骨のこわばりが原因であるケースも少なくありません。
当院で行うソフトな頭蓋骨調整は、縫合の弾力を丁寧に取り戻し、脳への負担を減らすための施術です。
弾力が回復することで脳疲労がスッと抜け、自律神経や本来の身体の機能がスムーズに回復していきます。
施術後に立ち上がったとき、頭がすっきりと軽くなり、身体が自然と本来あるべき位置に収まる感覚を、ぜひ一度味わってみてください。

著者紹介 江尻俊
1997年業界入り、大阪府池田市にてエジリカイロプラクティックさかえ鍼灸院を2008年に開業。カイロプラクティック・オステオパシーを学ぶところから始め、その後鍼灸、その他の施術法を数多く学び、現在では、体・心・栄養のすべてからアプローチする独自の施術を確立し、自身が自然療法で救われた経験を原点に、お子様からご高齢の方まで、一人ひとりの不調をサポートし続けている。


