産後の極度な疲れ・だるさの原因は?流産後の早期妊娠と母体の回復に必要なケア

妊娠と出産は、まさに命がけの大仕事です。

産後に体が疲れ切ってしまうのはある意味で当然のことですが、中には

「それにしても弱りすぎている」「何カ月経っても全く動けない」

というほど深刻な不調に苦しまれている方がいらっしゃいます。

 

当院に来院されているSさんも、まさにその一人でした。

産後7カ月が経過しても思うように体が動かず、実家のお母さまが泊まり込みで家事や育児の応援に来てくれている状態です。

「早く自分の力で家事を回したい、お母さんに頼らずに生活したい」

と願うものの、体は鉛のように重く、顔色も優れず、文字通りフラフラになりながら当院の扉を叩かれました。

 

詳しくお話を伺うと、 Sさんは1年半ほど前に流産を経験され、そのわずか3カ月後にホルモン治療による排卵誘発を経て、再び妊娠・出産へと至っていたのです。

 

東洋医学では、流産を「小産(しょうさん)」と呼び、通常の出産以上に母体が大きなダメージを負った状態と捉えます。

気(エネルギー)や血(栄養)が急激に消耗し、内臓や子宮などの器官が深く傷ついているため、

次の妊娠までは最低でも半年、できれば1年間は体を休め、回復に専念すべきだと考えます。

 

体が傷ついている時期に妊娠しにくくなるのは、生命が「まずは母体を守ろう」とする自然な防御反応です。

しかし、その修復期間を十分に取らないまま、医療の力で排卵・着床を促すとどうなるでしょうか。

回復しきっていない土台のまま妊娠・出産に挑むことになり、母体は文字通り「命を削って」赤ちゃんを育み、産み落とすことになります。

 

Sさんの強い倦怠感や動けなさは、決して本人の気合や体力のなさのせいではありません。

限界を超えて命をつなぎとめた結果、体のエネルギー残量が完全に底をついてしまった状態なのです。

 

無事に出産を終えられたことは本当に尊く喜ばしいことです。

しかし、産後7カ月経った今、次に守るべきなのは「お母さん自身の体」です。

 

まずは「動けない自分」を責めるのをやめ、そして鍼灸や整体で自律神経を整え、胃腸の働きを高めて気血を補い、傷ついた母体を一歩ずつ立て直していくことが大切です。

無理に日常へ戻ろうと焦らず、まずは枯渇したエネルギーを満たすケアから始めていきましょう。


江尻の写真

著者紹介 江尻俊

1997年業界入り、大阪府池田市にてエジリカイロプラクティックさかえ鍼灸院を2008年に開業。カイロプラクティック・オステオパシーを学ぶところから始め、その後鍼灸、その他の施術法を数多く学び、現在では、体・心・栄養のすべてからアプローチする独自の施術を確立し、自身が自然療法で救われた経験を原点に、お子様からご高齢の方まで、一人ひとりの不調をサポートし続けている。

LINEでのご予約はこちら
  • このエントリーをはてなブックマークに追加