頸椎ヘルニアとは

頚の骨と骨の間にある椎間板の一部が飛び出している状態になっていることを言います。

 

「ヘルニア(hernia)」とは、「本来あるべき場所から飛び出す状態」を指す言葉です。 頚椎の椎間板が飛び出すことで、その先にある「神経」にぶつかってしまい、「神経」がうまく働けなくなることで問題がおき、症状として「頚椎椎間板ヘルニアによる痛みやしびれ」となります。

 

頚椎椎間板ヘルニアの場合、腰椎ヘルニアと違い、突出したヘルニアが原因となる場合と、骨の変形によっての神経圧迫で症状が出る場合とがあります。 骨が変形することで椎間板が磨り減り、圧迫されて飛び出す場合もあります。

 

ヒトの頚の骨は7つあります。 上から 第一頚椎 第二頚椎・・第七頚椎とよびます。1と2は特殊な形をしていますが、3から7の頚椎は同じ形をしています。

 

7つの頚椎は、それぞれの骨の間でクッションの役割をしている「椎間板」でつながっています。 これらの骨は積み重なっていて中は空洞があり、その空洞の中を脊髄が通ります。 頚部の脊髄からは、手や肩に向う神経が枝分かれしています。

 

枝分かれしている部分を神経根と呼び、各神経根は頚椎同士の間の狭い間隔である椎間孔を通って手や肩、頚の周囲の感覚を支配しています。 この神経は椎間板の周囲をめぐっていて、椎間板の異常信号を感じた場合、肩甲骨周囲や首の周囲の筋肉を緊張させます。

 

ですから、肩こりや肩甲骨周辺の痛みの原因の1つには 椎間板が原因の可能性もあることもあるので注意が必要です。

 

「椎間板」の構造は 外側はコラーゲンでできた薄い軟骨が層になった「繊維輪」と呼ばれるものがあり丈夫で柔軟性があります。 中心は「髄核」といい、80%が水分でできているゼラチンのようなものがあります。 この椎間板の繊維輪が弱くなって全体として膨隆したり、繊維輪に亀裂が入り、その亀裂から髄核組織が「ヘルニア(脱出)」したものが椎間板ヘルニアです。 そして、この椎間板ヘルニアが 脊柱管内に通っている神経を圧迫して 痛みや様々な神経症状を起こしてしまうことが頚椎椎間板ヘルニアの症状となります。

 

神経には運動神経と知覚神経があるので、圧迫されると、症状として動きにくさや 知覚麻痺といった症状になってしまうのです。

 

頚椎ヘルニアは25歳~50才代に発症しやすく、特に40歳以降の壮年期に多くみられます。
ヘルニアは真後ろ、外側、内側など突出した方向によって神経が圧迫されるところが違うと出てくる症状も異なります。 また、脱出の程度によって、膨隆型・脱出型・移動型があります。

 

膨隆型・・繊維輪が膨らむだけで、髄核はみ出していないタイプ

脱出型・・髄核が繊維輪からはみ出して後縦靭帯がふくれるタイプ

穿破脱出型・・髄核は繊維輪・後縦靭帯を突き破って脱出したタイプ

移動型・・脱出した髄核の一部が脊柱管内で遊離するタイプ

 

また脱出した場所、程度によって症状が分かれます。 例えば 頚椎5番と頚椎6番との間の椎間板に神経の通り道を障害された場合は、第6頚神経が障害され、手の親指から腕の前側にシビレが生じるという症状が出ます。

頸椎ヘルニアの痛みが楽になりました!

症状について詳しくはこちら

頚椎椎間板ヘルニア

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