中日新聞「不妊症治療に針きゅう効果 子宮内膜改善」

鍼灸が妊娠率の向上に寄与することは、東洋医学の経験則にとどまらず、国内の大手新聞や国際的な医学誌でも取り上げられてきた事実です。
中日新聞 平成13年(2001年)12月28日号には、「不妊症治療に針きゅう効果 子宮内膜改善」
という見出しの記事が掲載されました。
鍼灸が子宮内膜の状態を改善し、不妊治療に有効であることを報じた内容です。
受精卵が着床するためには、一定の厚みと質を持った子宮内膜が欠かせません。
その土台を整える力が鍼灸にはある——ということが、20年以上前の時点で大手新聞に取り上げられていました。
「ハリ治療で妊娠率アップ」——米国の専門誌が報じた研究

同じ頃、「ハリ治療で妊娠率アップ」という見出しの新聞記事も紙面を飾りました。
米国の生殖医学専門誌 Fertility and Sterility に掲載された研究(後述のPaulusらの論文)を紹介したもので、鍼灸と妊娠率アップの関係が、国内の新聞と海外の科学論文の両方から伝えられていたことがわかります。
鍼灸と妊娠率に関する国内外の研究報告
大手新聞に取り上げられたということは、鍼灸による妊活サポートが社会的にも広く知られていたことを示しています。そして現在もなお、国内外で研究や実践が積み重ねられている分野です。
鍼灸と妊娠率の関係をめぐっては、2000年代以降、世界各国で複数の研究が発表されています。ここでは代表的なものをまとめます。
Paulusらの研究(2002年・ドイツ)
ドイツの Paulus WE らによる論文(Fertility and Sterility, 2002)では、体外受精(IVF)を受ける女性 160人 を、くじ引きのようにランダムに 2つのグループ に分けて比較しました。
- 鍼灸を受けたグループ(80人):胚移植の 25分前と25分後 にそれぞれ鍼灸を実施
- 鍼灸を受けなかったグループ(80人):通常どおり体外受精のみ
結果、妊娠率は次のとおりでした。
- 鍼灸あり:42.5%(80人中34人が妊娠)
- 鍼灸なし:26.3%(80人中21人が妊娠)
同じ体外受精を受けていても、鍼灸を併用したグループのほうが妊娠率が 約1.6倍高かった という結果でした。
Dieterleらの研究(2006年・ドイツ)
ドイツから報告された研究(Dieterle S et al., 2006, Fertility and Sterility)です。体外受精・顕微授精を受ける 225人を対象に、黄体期(排卵後〜次の月経までの時期)に鍼灸を行うグループと、プラセボ(見せかけの鍼灸)を行うグループに分けて比較されました。
- 鍼灸あり:継続妊娠率 28.4%
- プラセボ:継続妊娠率 13.8%
鍼灸を行ったグループのほうが妊娠率が有意に高くなる結果となりました。
Smithらの研究(2006年・オーストラリア)
オーストラリアから報告された研究(Smith C et al., 2006, Fertility and Sterility)です。体外受精を受ける 228人を対象に、排卵誘発剤(hMG)注射時・採卵前・採卵直後の3回、鍼灸を行うグループと行わないグループを比較しました。
- 鍼灸あり:妊娠率 31%
- 鍼灸なし:妊娠率 23%
統計的な有意差までは出ませんでしたが、鍼灸を受けたグループのほうが妊娠率が高い結果となりました。
アメリカの生殖医学学会誌より鍼灸が不妊症に有効との報告
British Medical Journal 2008年
アメリカからの発表(メリーランド大学、ジョージタウン大学産婦人科) 過去の7件の臨床試験のデータをまとめた。
はり療法を併用した胚移植は、鍼灸を受けた群の臨床的妊娠は1.65倍高く、継続中の妊娠は 1.87倍、生児分娩率は1.91高く、鍼灸は妊娠率の高さと関連していた。
2008年アメリカからの報告(Fertility&Sterility(アメリカの生殖医学学会誌)より
国内の連携事例と臨床報告
国内でも、不妊専門クリニックと鍼灸院が連携する事例が年々増えており、
「採卵数が増えた」
「受精卵の質が上がった」
「着床率が改善した」
といった臨床報告が蓄積されつつあります。
また、日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM) をはじめ、妊活鍼灸の手技を標準化・体系化する取り組みも進行中です。
効果があるからこそ、日本の不妊専門病院でも鍼灸を取り入れる所が出てきているのですね。
公的データが示す「鍼灸×妊活」の可能性
不妊は、特別な人だけの悩みではなく、4〜5組に1組のご夫婦が向き合う時代のテーマです。
体外受精の妊娠率が年齢とともに下がっていくというデータも、病院と並行した“体づくり”の重要性を物語っています。
池田市で妊活に取り組む皆さまにとって、鍼灸は「なんとなく体に良さそう」ではなく、
データと研究に裏付けられた補完的なアプローチのひとつです。
クリニックと鍼灸を上手に組み合わせることが、妊娠率アップへの一歩になると信じ、今日も臨床に当たっております。





