有痛性外脛骨とは

人間の骨はおよそ200個ありますが、その中には無くても困らない骨もあります。

それらを副骨や過剰骨と言います。

外脛骨という骨も足の内側(内くるぶしの下やや前あたり)にある舟状骨という骨にできる過剰骨の事です。

この外脛骨に痛みがでている状態を有痛性外脛骨と言います。

外脛骨自体は悪いものではありません。

全ての外脛骨が有痛性ではありませんが、何らかの原因で痛みを引き起こしてしまい、重度になってくれば歩行時にも痛みが出るなど、日常生活に支障をきたしてしまう事があります。

骨が出っ張ってくる為見分けは簡単だと思いますが、痛みが無い場合が多く、両足に出ることが多いので、痛くなって初めて気付く事が多くあります。

外脛骨の種類

  1. 舟状骨から離れており、骨片のように見える状態
  2. 舟状骨と重なって見える状態
  3. 舟状骨と癒合してしまっている状態

②が特に有痛性になる事が多く、捻挫などで不安定な状態が続くと、痛みが出ます。

有痛性外脛骨の原因

女性に多く、とくに小学生から中学生といった成長期の運動部によくみられます。

外脛骨がふくらはぎと土踏まずを繋ぐ筋肉(後脛骨筋)の付着部付近にあるため、ジャンプやダッシュといった激しい運動をする事によって、後脛骨筋が外脛骨を引っ張る形となり、炎症がおきます。

とくに足の裏が平らな偏平足だと、外脛骨が下に落ちてしまい、より後脛骨筋が引っ張られる形になり、炎症が起きやすくなってしまいます。

その他にも、足首の捻挫で足首が不安定になることで外脛骨に負担がかかったり、靴のサイズが合わずに、外脛骨の部分が靴に当たってしまい、炎症がおきる事もあります。

当院での有痛性外脛骨に対する施術

当院には有痛性外脛骨にお悩みの少年少女たちが頻繁に来られます。

多くの方はスポーツをされていて、外脛骨も痛い、膝も痛いと両方の症状を訴えられる方も珍しくありません。

 

結論から言いますと、有痛性外脛骨の痛みは解決できます。

 

くるぶしから下の骨は全部で28個あります。

28個の骨がそれぞれ隣同士の骨と関節を成しているわけですが、一つ骨が多い(外脛骨)という状態で、仮に関節の動きが悪かったとしても、動いていないその他の関節をスムーズに動かす事によってカバーができる為です。

1か所の問題はチームプレーで解決出来るのです。

 

そしてもう一点。

スポーツをして関節に痛みが出るということは、基本的にフォームの乱れがあります。

フォームの乱れからふくらはぎ(後脛骨筋)への負担が強くなり、外脛骨周囲の炎症・痛みへと繋がります。

フォームを改善する事で多くは解決しますし、28個ある足の骨が連結する関節の動いてなく機能していない関節を動くように調整する事によって外脛骨にかかっていた負荷を分散することができます。

ですので、外脛骨があるので痛みが取れないということはございません。

有痛性外脛骨に関して、当院では多くの患者様に改善して頂いています。

病院での対応

痛みの軽減を目的とし、病院ではレントゲン撮影で外脛骨の大きさ・位置などを調べてからの処置になってきます。

・薬物療法

外用薬(湿布薬等)・鎮痛を目的としたステロイド剤の局所注射

・保存療法

電気療法・温熱療法・運動療法(リハビリ)・マッサージ・指圧など

・手術療法

外脛骨を手術にて取り除き、数週間ギプスにて固定し、リハビリ等をしながら2,3カ月かけて回復させていきます。

・足底板

靴の中に足底板といわれる中敷きを入れる事によって足の裏のアーチを上げ、後脛骨筋の緊張を和らげて外脛骨にかかる負担を軽減させます。

 

基本的には保存療法が選択されますが、痛みの期間が長期間になった時は、外科手術が必要になることもあります。

 

 

※有痛性外脛骨と似たような症状

舟状骨剥離骨折

外脛骨のような過剰骨ではなく、舟状骨本体が後脛骨筋に引っ張られて、舟状骨の一部が剥がれしてしまう状態(剥離骨折)です。

有痛性外脛骨との識別は難しく、皮下出血や腫れ、熱感、圧痛部位などを診て判断します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加