アトピー性皮膚炎との鑑別

近年、大人にも増えているアトピー性皮膚炎ですが、今お悩みの症状は本当にアトピー性皮膚炎なのでしょうか。他にも似た症状を呈する皮膚の病気があります。このページではアトピー性皮膚炎と間違いやすい病気とその概要についてご説明します。

 

脂漏性皮膚炎

比較的多くの方が経験するのが、脂漏性皮膚炎です。脂漏性皮膚炎は、その名のとおり、皮脂がその原因を作っています。

頭皮や髪の生え際、小鼻周辺など、皮脂が多く出る場所にみられる皮膚炎で、皮脂をエサにして増殖するマラセチア(真菌)の悪さで発生するとされています。特に額の髪の生え際などに、大きなフケのようなものが現れ始めて慌てる方もいらっしゃいます。

そのフケのようなものが剥がれ落ちた部分の皮膚が赤みを帯びていることから、アトピー性皮膚炎ではないかと感じてしまう方も多くいらっしゃいます。

汗疹(あせも)

汗疹(あせも)は、恐らくどなたもが子供の頃に経験したことのあるものでしょう。汗を多くかく乳幼児、大人であっても仕事で大量の汗をかく方に現れやすいのが汗疹(あせも)です。

汗疹(あせも)は、何らかの理由で汗が皮膚から出られなくなったとき、水ぶくれや炎症を引き起こしている状態です。細菌の感染を伴わない場合、数日で収束することが特徴です。

とびひ

とびひの特徴は、体液です。透明ないしは黄色っぽい液体が水ぶくれとして溜まる・皮膚の一部が破れてもれ出るときは、とびひを疑います。

とびひの原因は、黄色ブドウ球菌ないしは化膿レンサ球菌です。

これらの菌はヒトの皮膚に存在する常在菌で、決して珍しいものではありませんが、皮膚のバリア機能が低下しているとき、キズがあるときに爆発的に赤くなる箇所が増え、まるで火事のようであることから「とびひ」と呼ばれています。

皮膚からにじみ出た体液に触れた指・タオルなどが他の人に接触したとき、感染者を増やしてしまうことがあります。乳幼児の場合、皮膚が真っ赤にただれ、ときに入院での治療を要することがあります。

水いぼ

水いぼもまた、見た目にアトピー性皮膚炎と間違いやすいものですが、はっきりと「いぼ」の形状をしていることが特徴です。

伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルス)に感染することで発症するもので、わきの下やひざ裏など、比較的皮膚の柔らかいところに現れます。

接触感染で発生しますが、痛み・かゆみはなく、ツヤツヤとした小さな水疱が目安です。

乳児湿疹

一般的に乳児湿疹と呼ばれるものには、いくつかの種類があります。新生児にきび、あせも、乳児脂漏性などがそれです。

皮膚が薄くデリケートで、まだまだバリア機能が確立していない乳児は、皮膚トラブルに多く遭遇します。また、ときとして食物アレルギーを持っていることがあります。

乳児期は、赤ちゃん本人もただ泣くだけ、どこが痛い・かゆいを具体的に伝えることができません。遺伝的にアトピー体質であることも考えられますので、皮膚の異常を発見したら、すぐに小児科ないしは皮膚科で診断を受けてください。

蕁麻疹

蕁麻疹は、赤くぷっくりと盛り上がった皮膚が連なるように生じるのが特徴です。ひどいかゆみや、ときに痛みを感じることがあります。

食物性アレルギー性の場合、特定の食物を摂取することで蕁麻疹が現れます。

運動や入浴で体が温まったとき、日光を浴びたとき、ストレスが溜まっているときなどに現れる非アレルギー性蕁麻疹もあります。

いずれにせよ、蕁麻疹の発生が急速で、なおかつ繰り返し起こるようなときは注意が必要です。原因をつきとめ、対処できるようにしなければ、ときとしてアナフィラキシーショック(呼吸困難など)を起こしてしまいます。

接触性皮膚炎

接触性皮膚炎もまた、アレルギー性の症状のひとつです。小さな、もしくは大きな水疱がいくつもできたり、皮膚が赤みをおびたり、かゆみを発するのが特徴です。

アレルギー性のものですので、その原因は人それぞれです。近年よく報じられているのが金属アレルギーですが、これもまた接触性皮膚炎の要因となっています。

口内炎が治らない、特定の金属に触れたときかゆくなると思っていたら、昔の歯科治療で用いられていた金属(アマルガム)が原因で金属アレルギーになっていた、という話もよく聞かれます。

皮膚カンジダ症

皮膚カンジダ症の特徴は、皮膚の赤みと、そこからにじみ出る白っぽい体液です。カンジダ菌は何も特別なものではありません。体調が良くなく抵抗力が落ちたとき、ないしはオムツの使用などで高温多湿となり菌の増殖環境が整ってしまったときに現れます。

当該箇所の皮膚やそこからにじみ出る体液を採取し、顕微鏡でチェックすることで皮膚カンジダ症かどうかを確認します。

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