鍼灸(はり、きゅう)施術

鍼灸治療

鍼灸施術

鍼灸とは古代中国で約3000年以上前に生まれた中国医学の一部です。

鍼や灸を用いた自然で安全、かつ効果的な療法として発展してきました。

人と自然の密接な関係を重視しており、その統一性を保つ叡智が長い歴史の中で積み重ねられてきました。

中医学では人が病になる原因を下記のように分類しています。

 六淫 風・寒・暑・湿・燥・火の6種の気候変化が身体の適応力を超えたとき。
 七情 喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の7種の感情が激しすぎたり、長期にわたり刺激を受け続けたりして、生理的に調節しうる許容範囲を超えてしまったとき。
 飲食と労逸 飲食・労働・休息は人間が生存し維持していくうえでの基本条件であり、暴飲暴食・過度の労働・無休状態などが許容範囲を超えたとき。
 外傷 打撲・捻挫・骨折・切り傷・虫さされ・火傷・凍傷など
 ⑤痰飲と瘀血  痰飲とは水液代謝に障害が起こって生じる病理的な産物であり、瘀血とは血液の運行が悪くなり血液が臓腑や経絡に停滞し生じたもの。これらが形成されると直接または間接的に臓腑や組織に作用して多くの病症を引き起こす。
 

鍼灸療法とは上記の原因に対して、ツボや経絡を刺激することで気・血・水の流れを促進し、臓腑の働きを高め、身体を一つの統一体として働けるようにしていく。このような概念をもとに様々な症状を解決していきます。

鍼とは

鍼灸

「鍼を刺す」と聞くだけで、痛い・怖いと敬遠される方もいらっしゃいますが、鍼灸に用いられる鍼は極細いもので、注射針の穴に2~3本入る髪の毛程度の太さの鍼を使用しております。

鍼にも色々な刺鍼の方法があり、置鍼法・雀啄法・捻鍼法等があり病気や体質によって使い分けています。

ほとんどの方が「えっ、こんなものなの?」と痛みなく受けれることに驚かれます。

灸とは

鍼灸参考

風邪のひき始めや、身体の冷えにはお灸が良く効きます。

お灸は「熱い」「形が残る」とイメージされますが、当院では隔物灸といわれる温灸を使用しておりますので、温かいと感じるぐらいで、痛みも殆ど感じないでしょう。

少し跡が残ったようにはなりますが、数日で消えます。
これは跡を残さないようにも出来ますが、火傷毒素を出す上ですごく大事な事で、それにより免疫力を高め、消炎作用も高めるのです。体に負担を与える事無く、効果的なお灸を致します。

陰陽とは

陰陽といいますと

意味が全然分からない・・・。
という人がほとんどなのではないでしょうか。

ですが、これは全く難しい話ではないのです。

陰陽とは2つの相対するものが互いに関係しあって成立しているという例え話なのです。

陽という概念は 『活動するもの』
陰という概念は 『栄養するもの』

陰という言葉を聞くと、「根暗」「弱々しい」「避けたいもの」

というイメージが先行するかもしれませんが体の状態を表す際の『陰』という概念は
体を栄養・滋養し、活動する『陽』のエネルギーを担保するものなので非常に大事なものなのです。

ちなみに元気がなくて活動できない状態を指す場合
活動する陽のエネルギーがないので陽虚と表現したり、疲労した体を修復できなくて活動できない場合は陰虚と表現する場合もあります。

中医学には面白い言葉があってそれは
【陰主陽従】
という言葉。

言葉の通り陽は陰に従っているという意味合いです。

この陰陽を体に例えると
筋肉→陽
内臓→陰

となり、筋肉の活動は内臓の活力が担保していていることになります。

また陰陽の関係性はその対象によって変わるので

筋肉・内臓で陰陽関係だった肉体は対象が心になると
肉体→陽
心→陰

となり心と体に陰主陽従の相互関係が生まれます。

また肉体に対して陰の働きをしていた心はその対象が自然になると
心→陽
自然→陰

となりまたここにも陰主陽従の関係が生まれます。

面白いですね!

WHO(世界保健機構)による鍼灸治療適応症

WHOが認めている鍼灸治療適応症は下記のとおりです。

鍼灸治療は、様々な症状に効果をもたらします。
当院では、皆様の個々の症状に応じて鍼灸治療を行います。

神経系
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症
頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー等

運動器系
関節炎・リュウマチ・頚肩腕症候群・五十肩・腱鞘炎・腰痛
外傷の後遺症(骨折、打撲、むち打ち、捻挫)等

循環器系
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ等

呼吸器系
気管支炎・喘息・風邪および予防等

消化器系
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)
胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾患等

代謝内分泌系
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血等

生殖・泌尿器系
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎等

婦人科系
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性
血の道・不妊等

耳鼻咽喉科系
中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎
蓄膿症・咽喉頭炎・扁桃腺炎

眼科系
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目
ものもらい等

小児科系
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食食欲不振、不眠)
小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善等