ピルを飲んでいたことと不妊症は関係あるのでしょうか?
結論から言うと関係なく妊娠出来た方もおられるし、ピル服用を止めたものの排卵が起こらず排卵誘発を行わなければならなかった方もおられます。
当院には低用量ピルの服用を止めてから生理の乱れが治らないといった方が来院されることがあります。
ハッキリと感じる副作用が少ないこともあり最近では生理痛の軽減や避妊の為に気軽に使われることも増えてきているようですが、ピル中止後になかなか生理が通常に戻らない方がおられることは事実ですので、ピルのメリット・デメリットを取り上げて考えてみたいと思います。
ピルのメリット
- 避妊効果
- 生理痛軽減
- 生理周期のコントロール
- 子宮内膜症の治療に使える
- 卵巣がんや子宮体がんのリスク軽減
ピルのデメリット
- 服用開始時の3カ月に出血や頭痛、吐き気を感じることがある
- 乳癌発症のリスク
- 子宮頸がん発症のリスク
- 血栓症
当院のピルに対する考え
避妊効果
避妊効果に優れていることは素晴らしいと思いますが、
数年間飲み続けるということはその間ずっと排卵させないということです。
一応消退出血という形で生理らしきものはありますが、排卵している訳ではないので体の自然な働きの現われではありません。
現代人は出産数が減っているから生理回数が多く生涯の生理回数は450回。それに比べて昔の子供を何人も産んでいた女性達は生涯の生理回数が約50回。だから排卵数を少なくすることは卵巣を休ませて良い事だ。という話もありますが
昔の人は妊娠という期間に子宮も卵巣も使っています。
排卵しないことが卵巣・子宮を休ませていい事かどうかはわかりません。
生理周期のコントロール
旅行に行くために生理日をずらすとか、日常のイベントに合わせて生理を思い通りコントロール出来ることは確かに便利だと思います。私は男性なので生理の大変さは正直わかっていないでしょう。
ですがあまりにそのための利用にピルに依存してしまうといざ本当に妊娠したい時に思った通りに体が動いてくれるかはわかりません。
生理というのは自分の無意識の領域で働いているものです。無意識の領域が上手く働いてくれる一番のコツは自然であることです。
子宮内膜症・卵巣がんや子宮体がんのリスク軽減
これはピルで予防出来るものなら素晴らしい事ですよね。
ピルを服用するにはメリットとデメリットがあります。
それを踏まえたうえで判断し選択しましょう。
もしピル中止後3,4カ月経っても生理が整わない場合はすぐに薬というだけでなく
自然な体の働きを取り戻す整体・鍼灸といった手段も有効です。
薬に動かされている体から自然に動ける体にシフトしていきましょう!
ピル服用後、生理の回復が遅れた方の症例
28歳 女性
ピルを3年間服用
結婚を機にピル服用を止め子作りを始めたものの半年経っても生理の調子が戻らない
薬で排卵の調整をする事に抵抗があったため当院に来院
状態
お腹に力がなく足のむくみも強い。
排卵期に出る透明のおりものも出ない。
右の卵巣が腫れている。
肩こりがひどくパソコンのマウスを持つのもしんどい。
施術
下腹部に血流を良くする通常の施術を開始。
1か月後には生理周期や出血量などがピル服用前の状態に回復。
3か月後に自然妊娠できました。